最近、日本では「韓国には日本人に対する敵意があるのでは?」「嫌日感情が危ないらしい」といった不安の声を耳にすることが多くなっています。SNSや一部のニュースでは、過激な反日デモや政治的な発言が取り上げられ、不安を感じる方もいるかもしれません。
ですが、実際に韓国で生活し、現地の人々と接してみると、それらの印象とは大きく異なる「現実」が見えてきます。この記事では、韓国における嫌日感情の実情、注意すべき点、そして日本人が安心して韓国を楽しむためのコツを、できるだけ率直にお伝えします。
1.「嫌日」感情は一部の話題と状況に限定される

韓国の学校教育では、植民地時代の歴史についてしっかり教えられています。これにより、日本の過去の行為に対して批判的な見方を持つ人が一定数いるのは事実です。特に中高年層の中には、歴史的背景から複雑な感情を持つ人もいます。
しかし、それと「現代の日本人」に対する直接的な敵意とは別の話です。
現在の韓国では、日本の文化(アニメ、漫画、音楽、ファッション、料理)に親しみを持っている若者が非常に多く、実際には「日本が好き」「日本に行ってみたい」と話す人の方が多数派です。
つまり、嫌日感情は政治的・歴史的な場面に限定されており、日常生活の中ではほとんど感じることはありません。
2. 日本人だと分かると、むしろ親切にされることも多い
韓国では、日本語を勉強している人や日本に留学・旅行した経験のある人が多く、日本人に対して好意的な印象を持っていることがよくあります。
実際に街中やレストラン、カフェなどで日本語を話していると、「日本の方ですか?」「私、日本語を勉強しています」と声をかけられることもあります。ソウルや釜山の観光地では、日本人観光客はよく見かける存在なので、珍しがられることもありません。
もちろん、すべての人が好意的とは限りませんが、一般的に「礼儀正しい旅行者」「文化に関心を持つ外国人」として歓迎されることがほとんどです。
3. 注意が必要なテーマと場面

安心して過ごすためには、以下の点に注意すると良いでしょう:
衣類や持ち物のデザインに注意
→ 旭日旗のような歴史的に敏感なシンボルがプリントされた服やアイテムは避けましょう。
政治的・歴史的な話題は避ける
→ 慰安婦、徴用工、独島(竹島)問題などは非常にセンシティブ。友人であっても、自分から話を切り出すのは避けた方が無難です。
公共の場で大声で政治的発言をしない
→ カフェや電車の中で歴史問題を話していると、周囲が不快に感じることも。
4. 地域によって感じ方が違うこともある
ソウル、釜山、済州などの観光都市では、外国人に対して非常にフレンドリーです。インフラも整っており、日本語や英語が通じる場所も多いため、旅行者にとっては快適な環境です。
一方で、地方の農村地域や、あまり外国人が訪れない場所では、日本人に慣れていない人もいます。年配の方の中には保守的な考えの人もいるため、最初は少し距離を感じるかもしれません。ですが、礼儀正しく接すれば、すぐに打ち解けられるケースが多いです。
5. 韓国で生活するなら、文化を理解する努力を
もし韓国で長期滞在する予定があるなら、韓国社会の価値観を理解することが非常に大切です。
例えば:
- 年齢・上下関係を重んじる文化
→ 初対面でも年齢を気にしたり、年上には敬語を使うのが一般的です。 - 礼儀と清潔感を重視
→ あいさつ、感謝、謝罪をしっかり伝えることが信頼関係につながります。 - 家族や友人との「情(정)」を大切にする文化
→ 一度仲良くなると、とても親身に接してくれる人が多いです。
これらを理解し、リスペクトの姿勢で接することで、日本人であることがむしろ「珍しくて面白い」「親しみやすい」と思われることもあります。
6. 実際の声:韓国在住日本人の体験談から
私が知っている韓国在住の日本人の多くは、「嫌な思いをしたことはない」「むしろ日本人ということで親切にされた」という声を多く挙げています。
例えば、留学生のAさんは「最初は不安だったけど、韓国人の友達ができてからは本当に居心地が良くなった」と語ります。
また、仕事で韓国に駐在しているBさんは「最初に文化の違いで戸惑ったが、相手を尊重する姿勢を見せることで良い関係を築けた」と話していました。
7. まとめ:恐れすぎず、敬意を持って交流を

韓国に嫌日という感情があるのは事実です。でも、それは日本人個人に向けられているわけではなく、政治や歴史に関する一部の話題に限られています。
旅行や生活の中で、過剰に恐れる必要はありません。ただし、最低限のマナーと文化への理解、そして丁寧なふるまいは常に大切です。
日本人として、相手を尊重しながら、フラットな気持ちで接すれば、韓国はとても温かく迎えてくれる国です。むしろ「日本から来たんです」と言えば、「ようこそ」「アニメが好きです」と笑顔で返してくれる人がたくさんいます。
韓国での体験が、あなたにとって素晴らしい思い出となりますように。
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