韓国のタコ料理
韓国といえば焼肉やキムチのイメージが強いですが、実は海鮮料理も非常に発達しています。中でも「낙지(サンナクチ)」「문어(ムノ)」「쭈꾸미(チュクミ)」の3種類のタコは、それぞれ違った特徴と調理法で韓国人に愛されています。今回はこれらの韓国を代表するタコ料理について、調理法・旬・よく売られている場所・日本料理との違いまで詳しく紹介します。
1. 산낙지(サンナクチ):動く食感と濃厚な旨味のハーモニー
調理法
산낙지(サンナクチ)は、生きたままのナクチ(小ダコ)を使った料理で、さまざまな方法で楽しめます。

- 탕탕이(タンタンイ):ナクチを細かく刻み、ゴマ油・塩・ゴマをかけて食べる定番スタイル。吸盤が動くほどの新鮮さで、独特な食感が楽しめます。
- 낙지호롱구이(ナクチホロン焼き):小さなナクチを串に刺し、甘辛いタレを塗って焼いた料理。外は香ばしく、中はモチモチです。
- 연포탕(ヨンポタン):ナクチを丸ごと入れて煮込む澄んだスープ。あっさりとした味わいで、二日酔いにもぴったりです。
旬の時期
산낙지の旬は10月〜2月の秋から冬にかけて。寒い海で育ったナクチは身がぷりぷりしており、弾力と甘味が増します。
販売エリア
ソウルのノリャンジン水産市場やクァンジャン市場、釜山のチャガルチ市場では、好みの調理方法でその場で提供してくれます。
日本との違い
日本では活きたままのタコを食べる文化はほとんどなく、動いている吸盤をそのまま食べる体験は韓国ならでは。外国人観光客にも強い印象を与える一品です。
2. 문어(ムノ):シンプルながら深い味わいのゆでダコ
調理法
문어(ムノ)は主にゆでてスライスしたものを、醤油や酢コチュジャンで食べるのが一般的。プリッとした食感が特徴で、祭祀(チェサ)や誕生日などの行事料理としても重要な存在です。문어ビビンバや문어ラーメンなど、アレンジメニューも人気です。
旬の時期
12月〜4月の冬から春にかけてが旬。冷たい海で育った문어は、身が引き締まり、旨味が際立ちます。
販売エリア
전라남도(チョルラナムド)のワンドやヨスは文魚の名産地で、新鮮な문어を扱う飲食店も豊富。ソウルではマンウォン市場などの在来市場でも手軽に購入できます。
日本との違い
日本ではたこ焼きや酢の物、煮物などに使われることが多い一方、韓国ではシンプルにゆでてタレで味わうのが主流。また、より強い弾力を好む傾向があるのも韓国の特徴です。
3. 쭈꾸미(チュクミ):卵入り春タコの濃厚な風味

調理法
쭈꾸미(チュクミ)はピリ辛炒めで有名な小ダコ料理。甘辛いコチュジャンソースで炒めた쭈꾸미볶음は、ご飯や野菜包みと相性抜群。鉄板焼きやシャブシャブ、鍋としても楽しまれます。
旬の時期
旬は3月〜5月の春。特に春に獲れる**卵入り쭈꾸미(알배기쭈꾸미)**は、卵がたっぷり詰まっており、かむたびに濃厚で香ばしい風味が広がります。旬の時期には各地で쭈꾸미フェスティバルも開催されます。
販売エリア
ソウルのシンダンドンやホンデにはチュクミ専門店が集まり、行列ができるほどの人気。京畿道の**オイド(烏耳島)**は産地でもあり、春には観光客でにぎわいます。
日本との違い
日本ではイイダコは煮物や天ぷらに使われることが多く、韓国のように辛く炒めるスタイルは珍しいです。甘辛+辛さがクセになるチュクミは、日本人観光客の間でも人気が高まっています。
まとめ:タコ料理から見える韓日食文化の違い
韓国 のタコ料理は、鮮度・辛さ・食感を重視し、調理法がシンプルであっても独特の個性と魅力があります。
- 산낙지は動くほど新鮮なナクチを多様な調理法で味わう料理、
- 문어は深い味わいのあるゆでダコ、
- 쭈꾸미はピリ辛で香ばしい卵入り小ダコが魅力です。
日本とは違うスタイルで楽しめる韓国のタコ料理は、旅行中にぜひ一度体験してほしいグルメ。食文化の違いを体感しながら、韓国の新たな魅力を味わってみてはいかがでしょうか?
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