コンポジットレジン(Composite Resin)

人工歯(義歯)を製作する材料は現在もさまざまな観点から研究が進められており、将来的には天然歯により近い材料が登場することが期待されています。義歯分野だけでなく、歯科で使用される材料は多岐にわたります。その中の一つが、仮歯(仮クラウン)やインレー、オンレー、一部のラミネートベニア(薄い人工歯)の製作に使用されるコンポジットレジン(CompositeResin)です。 コンポジットレジンは審美性に優れているだけでなく、製作が比較的簡単でコストも抑えられるというメリットがあります。ただし、強度が低く、摩耗しやすい可能性があるため、ケースによって適切に使用されます。
高分子材料(ポリマー)

仮補綴物や義歯のフレーム製作に使用される高分子材料(ポリマー)もあります。代表的なものとして、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とポリエーテルエーテルケトン(PEEK)があり、加工が容易でコストが比較的低いだけでなく、生体適合性が高く、軽量で柔軟性に優れています。ただし、長期間の使用では耐久性が低下するという欠点があります。一部のインプラント補綴物にも部分的に使用される材料です。 その他、歯科で使用される材料としては、補綴物と歯を接着するグラスアイオノマー(Glass Ionomer)や、各種歯科用接着剤があります。
歯科 3Dプリンティング材料

これ以外にも、最新技術の発展に伴い、CAD/CAMシステムを活用したデジタル製作用材料や、新しい複合材料が継続的に開発されています。特に近年、最も注目を集めており、私自身も臨床で使用している歯科用3Dプリンティングも、材料の進化とともに発展しています。 光硬化性レジンは、歯科用3Dプリンティング材料として最も一般的に使用されており、高速なプリンティングが可能で、精度が高いだけでなく、さまざまな硬度のバリエーションを提供できるため、歯科分野で広く活用されています。
患者ごとのカスタマイズ治療への取り組み

3Dプリンティングは、矯正用モデル、ブリッジ模型、仮クラウン、仮ブリッジ、インプラント手術用精密ガイド、透明矯正装置(Aligner)の制作など、さまざまな歯科治療に使用されています。3Dプリンティングで作られた結果物は比較的精度が高く、制作時にさまざまな硬度や柔軟性の材料を選んで作成できるため、応用範囲が非常に広いです。レジンだけでなく、セラミック、金属、高強度ポリマー、混合材料も3Dプリンティングで製作でき、研究段階ですが生体材料も3Dプリンティングに使用されています。デジタル技術の進展と材料の発展は、患者に最適なカスタマイズ治療を提供するために重要な役割を果たしています。
歯科材料終わり