保存治療 – 炎症再発に伴う歯根端切除術

神経治療後の感染再発

前述のように、神経治療は自分の歯を保存しながら行う最後の治療段階といえます。しかし、神経治療後でも炎症が再発することがあります。  根管内の感染や炎症組織を取り除いたにもかかわらず、炎症が持続し再発する場合、再度神経治療を行う必要があることもあります。また、場合によっては歯根端切除術が必要になることもあります。  歯根端切除術は、炎症によって感染が進行した歯の根の先端を切除し、さらなる感染を防ぐために根の内部から充填する処置です。この手術によって、感染の再発を防ぎ、歯の保存をより確実にすることができます。


感染再発の原因

img src : https://stateendodontics.com/procedures/endodontic-surgery/

神経治療自体が、歯の神経に接続された神経の枝を除去する複雑な手術であるため、治療過程で一部の感染源が十分に除去されずに残ることがあり、これにより治療後に炎症が再発することがあります。  神経治療を完璧に行っても炎症が再発する場合としては、炎症物質が歯の根の方へ流入する場合、根や根の歯壁に穴が開く場合、根自体が折れる場合、または歯が先天的に奇形である場合などが挙げられます。


歯根端切除術が必要な場合

通常、神経治療後に感染が再発した場合は、追加の神経治療(再根管治療)を行うのが望ましいです。しかし、この過程では補綴物(クラウン)の除去や、根管内に充填された材料を取り除く処置が伴うため、歯根にダメージを与える可能性があります。  また、治療後に時間が経過して根管(神経管)が石灰化して非常に硬くなっている場合や、根管自体が大きく湾曲している場合、根管内にポストが埋め込まれている場合、あるいは除去が困難な充填材(MTA)が根管に充填されている場合には、歯根への損傷が大きくなる可能性が高く、再根管治療が難しくなります。


歯根端切除術とは?

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このような場合、歯根端切除術を行います。  この治療の最終的な目的は、炎症組織の感染を取り除き、自分の歯を保存することです。通常、神経治療後に再感染が起こらない限り、歯根端切除術は検討されません。歯根端切除術は、歯の根の部分の歯茎を切開し、顎の骨(歯槽骨)を削って、膿瘍ができた歯根の先端にアプローチする外科的な治療です。炎症が発生している歯根の先端の一部を切除し、根管を確実に密閉できるように充填することで、根管内に残っている細菌やその他の不要な物質の排出を防ぎます。


保存治療は次に続きます。

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