保存治療 – 歯ぐき治療

歯ぐき疾患の重要性

一般的に、定期的なスケーリングを受けて口腔衛生を徹底すれば、歯ぐき疾患へと進行することはありません。しかし、人それぞれ生まれ持った健康状態が異なるように、口腔環境も異なるため、歯ぐき疾患への警戒を怠ってはいけません。  一般に「歯周疾患」と呼ばれるものは、歯ぐきの炎症から始まり、放置すると歯周炎へと進行します。歯周炎は、歯を支える骨や組織を破壊し、最終的には歯の喪失につながる可能性があります。特に、歯ぐきの炎症は局所的に留まらず、全身へと広がることで心血管疾患などの健康問題を引き起こす可能性もあります。


ルートプレーニングとは?

歯ぐきと歯の境界部分の歯石除去だけでは歯ぐき疾患の改善が難しいと判断される場合、ルートプレーニングが行われることがあります。これは、歯の根元部分の粗い表面を滑らかにし、プラークや細菌の再付着を防ぎ、炎症を軽減する治療です。  スケーリングとの違いは、歯ぐきと歯の境界部分よりもさらに深くスケーラーやキュレットを挿入し、歯石やプラークを除去する点です。そのため、やや不快感を伴うことがありますが、炎症の根本原因を取り除くことで歯ぐきの健康回復に大きく貢献します。


治療後の注意事項

個人差はありますが、ルートプレーニングを受けた後、最初は多少の腫れや痛みが生じることがあります。これは自然な反応であり、ほとんどの場合、処方された鎮痛剤を服用すれば和らぎます。また、一時的に出血がみられることもありますが、すぐに止まることがほとんどです。  しかし、処置部位を刺激しないように優しく歯磨きを行い、刺激の強い食べ物は避けることが望ましいです。また、十分な休息と水分補給も重要で、できるだけリラックスしながら休み、こまめに水を飲むようにしましょう。


定期検査は必須

ルートプレーニングが成功裏に行われた場合、炎症が減少し、歯ぐきの健康が改善されます。これは、歯と歯ぐきの間のスペースが減少し、出血の頻度が減り、腫れなどが改善されることで確認できます。  歯ぐき疾患は初期段階では症状が軽微で、大した問題ではないと考えがちですが、治療を先延ばしにすると状態が悪化し、より複雑で高額な治療が必要になる可能性があります。そのため、定期的なスケーリング、正しい歯磨き、そして歯ぐきの状態を継続的にチェックすることが重要です。


外科的歯ぐき治療

歯ぐき治療において、スケーリングは予防的治療、ルートプレーニングは非外科的治療として分類されます。それでは、外科的治療とはどのようなものでしょうか?  まず、歯ぐきの下、深い部分にある歯石や炎症組織を除去する方法として、歯周ポケット掻爬術があります。ルートプレーニングよりもさらに深い部分まで治療を行うため、麻酔後に治療が進められます。


レーザー歯茎治療

また、歯の根管や骨に接近して炎症組織を除去したり、歯を支える骨を再生する手術である歯周フラップ手術があります。歯周炎によって失われた歯槽骨を再建するために、骨移植を行うこともあります。最近では、レーザーを使用して炎症組織を除去し、歯ぐきを殺菌する方法もあります。これにより、痛みが少なく回復が速いという利点があり、歯ぐきと歯の間の隙間を縮小させることで歯ぐき組織の再生にも役立ちます。


歯茎薬の効果(?)

比較的軽度な歯茎疾患の場合、消炎剤を使用することで痛みや腫れを軽減できます。また、歯茎専用の歯磨き粉や口腔洗浄剤を使用することも、炎症の緩和や予防に役立ちます。市販されている歯茎薬は、歯茎治療薬ではなく、歯茎治療の補助剤として考えるべきです。歯茎薬は消炎や鎮痛に一定の効果があるため、歯茎薬を服用した後に歯茎の不快感が減少し、歯茎の炎症が改善されたと思うかもしれませんが、これが歯茎の治療そのものではないことを理解する必要があります。


定期的な歯科検診

歯茎に良い薬、歯茎に良い歯磨き粉、歯茎に良い食べ物は、あくまで補助的な部分です。補助的手段として使われる歯茎薬は、抗生物質ではないため、細菌を直接殺すことはできません。歯茎薬は治療薬ではなく、健康補助食品程度の役割を果たすと考えるのが正確です。歯茎の炎症は、歯茎に残っている細菌によって引き起こされるため、原因となる歯石やプラーク、炎症組織などの原因を取り除くことが最も確実な方法です。そのため、歯に大きな不快感がなくても、定期的に歯科に通い、検査を受けることをお勧めします。


保存治療は次に続きます。

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